2005年6月11日 (土)

次にくる波「国家破産時代」

戦後から60年間。これを時代的に3分割してみると、

○第1ステージ 1945年~1950年
 太平洋戦争における敗戦(1945年8月15日)から、朝鮮戦争が始まる前日(1950年6月24日)まで

○第2ステージ 1950年~1989年
 朝鮮戦争勃発(1950年6月25日)から日経平均が史上最高値3万8,915円をつけた日(1989年12月29日)まで

○第3ステージ 1990年~2005年
 バブルの崩壊から現在まで

○第4ステージ 2006年~2030年
 日本人がこれまでに経験したことのない大変動の時代
 つまり、「国家破産時代」

2004年9月24日の財務省の発表によると、「国の借金」に相当する国債、借入金、政府短期証券(FB)の6月末時点の合計残高が729兆円、国民1人当たりに換算すると、574万円を上回る借金に相当するという。
このほか、地方自治体にも200兆円程度の借金があり、その他の”隠れ借金”を含めると1100兆円になる。

一方、個人金融資産は、1400兆円あると言われるが、個人の借金や国・企業の持つ資産などを勘案すると、日本国全体が持っている資産の余力は150兆円程度となる。

いま、政府の借金は60兆円規模で増加しているので、150兆円を60兆円で割ると、3年弱で底をつく。つまり、国家破産のXデイは「2007年」となる。

☆以上、浅井隆著「次にくる波」(PHP研究所発行)より引用

いまの国家財政を一般のサラリーマン家庭に例えると、420万円の年収の人が、毎年600万円の借金を増やし、今や1億円を超える借金を抱えていることになる勘定だ

国においては、郵政民営化論議を延々とやっているが、莫大な借金をどうするのかという論議は、サッパリ聞いたことがない。返す当てのない借金を膨らましているが、誰も責任をとらないのが不思議だ。子や孫の時代にどんどんツケを回していることになる。

一方、多くの地方自治体においても、財政状況は深刻になっており、「財政再建団体」への転落が寸前の自治体もあると言われている。
地方交付税の削減や税収の伸び悩みなどから、予算をかけないで効果を上げる政策がますます求められてくる。

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2005年6月 5日 (日)

「スローフードな人生!」

1986年夏、イタリアのとある小さな田舎町で、偉大なる革命運動が産声をあげた。名づけて『スローフード』運動。

『スローフード』とは、何か。
イタリアのスローフード協会会長、カルロ・ペトローニ氏は言う。

「敢えて言うなら、反対しているのは、ファーストフードそのものではなく、フォーストフードを支える考え方。つまり、いつでも、どこでも同じ味、同じ質というものに反対しているわけね。
それじゃ、世の中、楽しくもなんともないじゃないと、だから、スローフードが守りたいものは、土地土地の味や、おふくろの味が息づいているような、多様な味の世界なのよ。」

以上、島村菜津著「スローフードな人生!-イタリアの食卓から始まる-」(新潮文庫)より、引用。

あのマグドナルドが進出に手を焼いたと言われる街、ローマ。イタリアには、伝統の味を守ろうという風土が根ざしている。一方、ここ日本は、マグドナルドの店舗数がアメリカに次いで多いという、ファーストフード大国。

食品添加物や食品加工の技術開発が進み、チンするだけの冷凍食品、お湯をかけるだけのインスタント食品、コンビニのおにぎり・お弁当、デパ地下の豊富なお総菜、料理人が不必要なハンバーガーショップなど、よりどりみどりのファーストフードが街中にあふれている。

便利さの一方で、伝統の食材、伝統の料理、伝統の味が失われつつある。まさに、おふくろの味が、お”袋”の味になってきている。

大量生産された「安もの」に飛びついてばかりいると、結局は病院代や薬代にツケが回って来ることになるだろう。”ファーストフードな人生”に、喝!を入れて、日常の食卓をゆっくりと見つめ直してみる必要がありそうだ。

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